月: 2017年6月

コラム:ドル円下落誘う米FRBのタカ派姿勢=亀岡裕次氏 News

コラム:ドル円下落誘う米FRBのタカ派姿勢=亀岡裕次氏

[東京 30日] - 日米金利差とドル円には連動性がある。しかし、6月にかけて10年国債や5年国債の日米金利差が縮小したにもかかわらず、ドル円は4月中旬よりも上昇した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げを背景に日米2年国債金利差が4月中旬よりも拡大しているとはいえ、ほんのわずかな幅であり、これが原因とは考えにくい。

米ドル軟調も米ドル/円はなぜ堅調なのか? 背景にあるファンダメンタルズ的要因とは? ブログ

米ドル軟調も米ドル/円はなぜ堅調なのか? 背景にあるファンダメンタルズ的要因とは?

■ユーロ/円は米ドル/円ではなく、ユーロ/米ドルの牽引で上昇 ユーロ/円は高値トライ、130円の心理的節目打診が視野に入っている。

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 これは筆者の想定どおりだが、背景となるユーロ/米ドルと米ドル/円の値動きについては、以前行った筆者の予測に当たったものと外れたものがあった。

【参考記事】

●今こそ米ドル/円押し目買いの好機!? 今晩の雇用統計が悪くてもさほど売られないかも(2017年6月2日、陳満咲杜)

●過去2回の米利上げ後は米ドル安に…。でも今回は違うとみる! それはなぜか?(2017年6月9日、陳満咲杜)

 ユーロ/米ドルは予測が外れ、米ドル/円は正解だったため、ユーロ/円上昇の値動きは当然ではあったが、より強い変動となり、また目先、強気変動が維持されやすいとみる。

 というのは、筆者はユーロ/円が早晩130円の節目を打診するだろうという予測を繰り返してきたが、それは主に米ドル/円の上昇を予測の根拠にしていた。

 が、6月27日(火)からユーロ/米ドルが大幅上昇し、昨年(2016年)11月9日(水)の高値を突破したから、ユーロ/円の強気変動は、むしろ、ユーロ/米ドルの高値更新がもたらした結果と言える。

ユーロ/米ドル 日足(出所:Bloomberg)

 ユーロ/米ドルはドルインデックスの対極的な存在であり、ユーロ/米ドルの強気変動はそのまま米ドル全体の弱気変動を意味する。

 ドルインデックスは、6月14日(水)安値割れをもって、同日のチャートが示したプライスアクションのサインを否定し、一気に昨年(2016年)11月9日(水)安値を割り込み、2017年年初来の米ドル安の流れは一段と深まった。

【参考記事】

●為替相場にトランプ・ラリー再来!? 米ドル続伸のサイン点灯、米国株もまだ崩壊しない!(2017年6月16日、陳満咲杜)

ドルインデックス  日足(出所:Bloomberg)

 ユーロ/米ドルの高値トライが当面想定されやすいなら、米ドル全体の下落、また、弱気変動がしばらく続き、従来の米ドル全体に関する底打ちのシナリオは、完全には否定されていないものの、底打ちのサインなしでは目先、安易に底打ちを認定できないだろう。

■米ドルを続落させた5つのファンダメンタルズ要因 ファンダメンタルズ的には、米ドルを続落、また、安値更新させた材料として、主に以下の5つが挙げられる。

1.ドラギECB(欧州中央銀行)総裁の強気発言

2.IMF(国際通貨基金)の米経済成長見通し下方修正

3.イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の「ハト派」発言

4.米上院での医療改革法案投票の延期

5.FRB投票権をもつ委員による「低インフレ」警戒論

 また、さらに追加材料として、英中銀総裁・カーニーさんの発言(利上げ否定から利上げの可能性に言及)も数えられるが、同総裁のあだ名は「頼りにならない彼氏」であるだけに、これを材料視するのはやや性急かと思っているところだ。

【参考記事】

●“頼りにならない彼氏”の裏切りに英ポンド怒りの急落! 続く米雇用統計は果たして!?(2015年11月6日、陳満咲杜)

■ユーロ/米ドルの下落サインは「ダマシ」と化した テクニカル面では、ユーロ/米ドル日足におけるサインが代表的であろう。6月14日(水)の日足は「スパイクハイ」のサインを点灯して頭打ちをいったん示唆していたが、5月30日(火)安値を割りこめず、一転して6月14日(水)高値を更新、同サイン自体が「ダマシ」と化した。

ユーロ/米ドル 日足(出所:FXブロードネット)

 「ダマシ」のサインがあったからこそ、トレンドの強気が証左されるわけで、目先、ユーロ/米ドルの強気変動は維持され、また、高値トライしやすい構造にあることが想定される。したがって、ユーロ/米ドルの切り返しはすでに最終段階に入ったものの、同サインの点灯を軽視すべきではないと思う。

 ちなみに、6月20日(火)までの押しは、GMMAチャートにおける長期移動平均線のサポートを受けた形で再上昇してきたから、同サインも強気変動における「鰯喰い」(スピード調整)のサインと見られる。換言すれば、ユーロの上昇波はテクニカル上、一貫して維持されてきたから、値ごろ感による判断をすべきではないことが示唆される。

 対照的に、米ドル/円におけるサインは有効であった…
米ドル軟調も米ドル/円はなぜ堅調なのか? 背景にあるファンダメンタルズ的要因とは? ブログ

米ドル軟調も米ドル/円はなぜ堅調なのか? 背景にあるファンダメンタルズ的要因とは?

■ユーロ/円は米ドル/円ではなく、ユーロ/米ドルの牽引で上昇 ユーロ/円は高値トライ、130円の心理的節目打診が視野に入っている。

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 これは筆者の想定どおりだが、背景となるユーロ/米ドルと米ドル/円の値動きについては、以前行った筆者の予測に当たったものと外れたものがあった。

【参考記事】

●今こそ米ドル/円押し目買いの好機!? 今晩の雇用統計が悪くてもさほど売られないかも(2017年6月2日、陳満咲杜)

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 ユーロ/米ドルは予測が外れ、米ドル/円は正解だったため、ユーロ/円上昇の値動きは当然ではあったが、より強い変動となり、また目先、強気変動が維持されやすいとみる。

 というのは、筆者はユーロ/円が早晩130円の節目を打診するだろうという予測を繰り返してきたが、それは主に米ドル/円の上昇を予測の根拠にしていた。

 が、6月27日(火)からユーロ/米ドルが大幅上昇し、昨年(2016年)11月9日(水)の高値を突破したから、ユーロ/円の強気変動は、むしろ、ユーロ/米ドルの高値更新がもたらした結果と言える。

ユーロ/米ドル 日足(出所:Bloomberg)

 ユーロ/米ドルはドルインデックスの対極的な存在であり、ユーロ/米ドルの強気変動はそのまま米ドル全体の弱気変動を意味する。

 ドルインデックスは、6月14日(水)安値割れをもって、同日のチャートが示したプライスアクションのサインを否定し、一気に昨年(2016年)11月9日(水)安値を割り込み、2017年年初来の米ドル安の流れは一段と深まった。

【参考記事】

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ドルインデックス  日足(出所:Bloomberg)

 ユーロ/米ドルの高値トライが当面想定されやすいなら、米ドル全体の下落、また、弱気変動がしばらく続き、従来の米ドル全体に関する底打ちのシナリオは、完全には否定されていないものの、底打ちのサインなしでは目先、安易に底打ちを認定できないだろう。

■米ドルを続落させた5つのファンダメンタルズ要因 ファンダメンタルズ的には、米ドルを続落、また、安値更新させた材料として、主に以下の5つが挙げられる。

1.ドラギECB(欧州中央銀行)総裁の強気発言

2.IMF(国際通貨基金)の米経済成長見通し下方修正

3.イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の「ハト派」発言

4.米上院での医療改革法案投票の延期

5.FRB投票権をもつ委員による「低インフレ」警戒論

 また、さらに追加材料として、英中銀総裁・カーニーさんの発言(利上げ否定から利上げの可能性に言及)も数えられるが、同総裁のあだ名は「頼りにならない彼氏」であるだけに、これを材料視するのはやや性急かと思っているところだ。

【参考記事】

●“頼りにならない彼氏”の裏切りに英ポンド怒りの急落! 続く米雇用統計は果たして!?(2015年11月6日、陳満咲杜)

■ユーロ/米ドルの下落サインは「ダマシ」と化した テクニカル面では、ユーロ/米ドル日足におけるサインが代表的であろう。6月14日(水)の日足は「スパイクハイ」のサインを点灯して頭打ちをいったん示唆していたが、5月30日(火)安値を割りこめず、一転して6月14日(水)高値を更新、同サイン自体が「ダマシ」と化した。

ユーロ/米ドル 日足(出所:FXブロードネット)

 「ダマシ」のサインがあったからこそ、トレンドの強気が証左されるわけで、目先、ユーロ/米ドルの強気変動は維持され、また、高値トライしやすい構造にあることが想定される。したがって、ユーロ/米ドルの切り返しはすでに最終段階に入ったものの、同サインの点灯を軽視すべきではないと思う。

 ちなみに、6月20日(火)までの押しは、GMMAチャートにおける長期移動平均線のサポートを受けた形で再上昇してきたから、同サインも強気変動における「鰯喰い」(スピード調整)のサインと見られる。換言すれば、ユーロの上昇波はテクニカル上、一貫して維持されてきたから、値ごろ感による判断をすべきではないことが示唆される。

 対照的に、米ドル/円におけるサインは有効であった…
焦点:生産ピーク近しの声、自動車起点の減速シナリオ浮上 News

焦点:生産ピーク近しの声、自動車起点の減速シナリオ浮上

[東京 30日 ロイター] - 「雲一つない青空」ともいえる好調が続いてきた国内生産に「薄雲」がかかってきた。生産に比べて足元で出荷の勢いが弱く、在庫が積み上がりつつあることから、生産のピークがそう遠くない時期に到来すると懸念する見方も浮上している。背景には米国販売の鈍化が鮮明になってきた自動車の「減速」傾向があり、在庫循環図が示す在庫調整リスクの高まりとともに、景気のリード役である生産をめぐる先行きに慎重さも必要との指摘が出ている。

中国大使館、米政府の台湾への武器売却方針に激怒 中止を要請 News

中国大使館、米政府の台湾への武器売却方針に激怒 中止を要請

[北京 30日 ロイター] - 在米中国大使館は、米国による台湾への武器売却方針に対し即座に「誤った決定」と非難、米政府に中止を求めた。米国は、北朝鮮の核・ミサイル開発を抑えるため経済・外交的な圧力を強めるよう中国に求めているが、これに悪影響が出る恐れがある。

コラム:モスル陥落でも拡散するイスラム国の恐怖 News

コラム:モスル陥落でも拡散するイスラム国の恐怖

[29日 ロイター] - イラク政府高官は、過激派組織「イスラム国」(IS)の「カリフ国家」(預言者ムハンマドの後継者カリフが指導する国家)は終わったと宣言した。数カ月にわたる市街地戦と米軍の空爆を経て、イラク軍は6月29日、国内最後のIS拠点となったモスルから武装勢力を排除するまであと一歩に迫ったと表明した。

来週の日本株は上値重い、欧米の金利動向次第でボラティリティー拡大も News

来週の日本株は上値重い、欧米の金利動向次第でボラティリティー拡大も

[東京 30日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、上値の重い展開が見込まれる。欧州中央銀行(ECB)の緩和策が転換期を迎えたとの観測がくすぶり、株式への資金流入は限定的となりそうだ。欧米の金利動向次第ではボラティリティーが拡大する可能性もある。米国の経済指標や国内政局なども波乱要因になり得ることから、主要な投資家は様子見姿勢となる公算が大きい。

来週のドル/円底堅い、金融政策の方向性の違いを意識 News

来週のドル/円底堅い、金融政策の方向性の違いを意識

[東京 30日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドル/円は底堅く推移しそうだ。欧州の要人発言をきっかけに日欧の金融政策の方向性の違いが意識されており、クロス円を中心に円売り圧力がかかりやすくなっている。米国では複数の重要経済指標の発表が予定されており、株価や金利が上昇すればドルは113円を試す展開もあり得るという。