月: 2015年6月

ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落! NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは? ブログ

ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落! NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?

■FOMCの結果公表後、米ドル/円は急反落 みなさん、こんにちは。

 今週(6月15日~)は、重要イベントが目白押しで、マーケットは神経質な動きに。

 それは、6月16日(火)~17日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)、18日(木)のユーロ圏財務相会合、そして、19日(金)の黒田日銀総裁の記者会見と続きます。

 本日(18日)未明、まずFOMCの結果が公表され、米ドル/円は急反落しました。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

■米ドル/円は122円台で下げ渋るも、125円台は重い FOMCの結果公表前は、タカ派的な内容を期待する市場参加者が多く、マーケットでは米ドルが買い進まれて、米ドル/円は124円台を回復しました。

 しかし、マーケットの思惑とは裏腹に、FOMCの結果はハト派的なトーンに。

 結果、一時、124.45円まで上昇していた米ドル/円は、何事もなかったかのように、123.50円まで反落。

 そして、本日(18日)の東京市場では、CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)が日本株を売っていることもあり、日経平均は2万円の大台割れとなりました。

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

 連れて、米ドル/円は123円を割り込む展開。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 米ドル/円の122円台は、米ドルを買い遅れている本邦年金が断続的に米ドル買いを持ち込んでいることもあり、下げ渋っています。

 一方、先週のコラムでご紹介したオバマ大統領の米ドル高けん制コメント、そして黒田日銀総裁の円安けん制コメントが米ドル/円の上値を抑えており、125円台でキャップされている展開。

【参考記事】

●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落!ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)

 繰り返しになりますが、仮に122円台前半の長期トレンドラインが崩れると、米ドル高トレンドの調整幅が深くなり、米ドル/円は120~125円のレンジでの米ドル高調整相場へ。

米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)

 クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に目を向けると…
豪ドル/円は目先反発中だが大局で下落は 変わらず、97円台前半程度で売る作戦で! ブログ

豪ドル/円は目先反発中だが大局で下落は 変わらず、97円台前半程度で売る作戦で!

■豪ドル/円は月足でボックス相場を形成中 今回は豪ドル/円の分析を行なう。まずは、月足チャートをご覧いただきたい。

 月足チャートを見ると、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を上に抜けて、「買いシグナル」を点灯させて上昇したことがわかる。 

豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 この「買いシグナル」で、豪ドル/円は、105円台の高値をつけているが、105円台から86円台にまで大きく急落している。

 86円台からは、再び大きく反発(上昇)して、今のところ、102円台後半の高値をつけている。

 俯瞰すると、豪ドル/円は、「赤の破線」で示したボックス相場を形成中と考える。

 現在の豪ドル/円は、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。

 直近の値動きで、右端のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだようにも見えた。

 しかし、明確に割り込む場合は「売りシグナル」だが、現時点では微妙で、「売りシグナル」とは判断できない状況だ。相場が、このまま反転上昇する場合は、右端のサポート・ライン「緑の破線」の傾きを緩やかにして、修正することになるからだ。

 この月足チャートでは、右端のサポート・ライン「緑の破線」の傾きを少し緩やかにして、修正している。

■最近の動きは2007年、2008年ごろの値動きに似ている 参考に、2007年、2008年ころの値動きに「ピンクの破線」でボックス相場を表示した。 

豪ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 この頃は、ボックス相場「ピンクの破線」の内側で、サポート・ライン「緑の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を何回か発したのだが、その都度、反発(上昇)している。

 そして、最終的には、ボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した。

 最近の値動きが、この頃に似ている、と感じている。つまり、時間が経過すると、現在のボックス相場「赤の破線」を割り込むことで明確な「売りシグナル」を発することになるのではないか、と考えている。

■フラッグを形成し、ターゲットを達成したとも考えられる 続いて、別のラインなどを書き込んだ下の月足チャートをご覧いただきたい。 

豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 月足チャートに、「ピンクの破線」で補助線を描くと、豪ドル/円は、大きな「フラッグ」を形成したことが読み取れる。

 「フラッグ」と考えると、豪ドル/円の上昇は105円台をつけた時点で、すでにターゲットを達成した、と考える。

 繰り返しになるが、現在の豪ドル/円は、この月足チャートにも示したボックス相場「赤の破線」を形成中で、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。

■週足では2009年半ばから2012年までボックス相場 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。豪ドル/円は2009年半ばから2012年までの期間、「緑の破線」で示した「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を作った。  

豪ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 2013年の初めに、このボックス相場を上に抜けたことで「買いシグナル」を発して、上昇を始めた。

 ボックス相場のセオリーに従うならば、ボックス相場上抜けの場合は、上限からボックス相場の値幅分上昇したところがターゲットになる。

 このケースでは、上限が90.00円、ボックス相場の値幅が18円だから、ターゲットは、108円になる。

 しかし、すでにターゲットを達成した可能性があることに留意する必要がある。

 この時点での高値は、105円台半ば(105.40-50円)程度だ。

 ターゲットは108円程度なので、まだ2円ほど余地がある、と考える人もいることだろう。

 しかし、チャート分析でのターゲットは、そのような厳密なものではなく、「だいたいこのくらい」といった「いいかげんなもの、大まかなもの」だ。

 豪ドル/円は105円台の高値から下落に転じ、「紫の破線」で示したボックス相場を形成していた、と考える。  

豪ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 そして、ボックス相場「紫の破線」の上限を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 月足チャートに表示したボックス相場「赤の破線」を、週足チャートにも、同じように、「赤の破線」で表示した。

 何度も繰り返しになるが、現在は、「赤の破線」で示した大きなボックス相場を形成中であり、このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えている。

 直近の値動きで、サポート・ライン「青の破線」を割り込んだようにも見えた。しかしその時点では微妙で、「売りシグナル」とは判断できない、と考える。それで、サポート・ライン「青の破線」の傾きを、少し緩やかにして、修正した。

 次に、日足チャートをご覧いただき…
黒田総裁発言はピーターパンが「疲れた、 飛び過ぎた」と言っているようなものだ! ブログ

黒田総裁発言はピーターパンが「疲れた、 飛び過ぎた」と言っているようなものだ!

 米ドル全体が軟調な推移に留まっている。

 先週末(6月5日)の米雇用統計は、米国の2015年内利上げを示唆する内容となったが、ドルインデックスの上昇は短命に終わり、先週末(6月5日)の上昇幅は今週(6月8日~)の週初の下落ですべて帳消しとなった。

 結果として、5月高値を起点とした反落が継続された形となり、米ドルのロング筋をがっかりさせた。 

ドルインデックス 4時間足(出所:米国FXCM)

■ユーロの意外な堅調を支えたのは苦い「スイスショック」 米ドルの軟調は、その対極にあるユーロの「意外」な堅調によって「浮き彫り」となっているが、ユーロの堅調はギリシャ問題に関する思惑やドイツ国債利回りの上昇に支えられた以外に、マーケットの苦い記憶に起因していたところが大きいと思う。それは他ならぬ、あのスイスショックだ。

 スイス当局の政策変更で、ユーロ/スイスフランが1日どころか、わずか20分で41%もの前代未聞の大暴落を演じたことは記憶に新しい。

【参考記事】

●9.11に匹敵する衝撃の「スイスショック」!円相場がその二の舞となる可能性も!?(2015年1月16日、陳満咲杜)

●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!


ユーロ/スイスフラン 日足(出所:米国FXCM)

 金融マーケットに大混乱をもたらしたあのスイスショックは、偏った相場がもたらした大惨事とも言え、その特徴として、極端な流動性低下があったと指摘される。

 周知のように、「レッドライン」を引いたスイス当局を信じ、マーケットはもっぱらユーロロング・スイスフランショートのポジションを積み上げ、当局に対抗して、わざとスイスフランのロングポジションを作る者は極端に少なかった。

 このような流動性が極端に低下した偏った市場になっていたから、それがいったん崩れると、皆が一方向に積み上げられたポジションの処理に迫られ、買い手が見つからず、いまだに信じられないほどの大暴落相場につながったというわけだ。

■オバマ大統領の米ドル高牽制発言が市場の不安を喚起 こういった記憶や教訓が、市場関係者の頭にあまりにも鮮明に残っているから、あるウワサにビビり、米ドルロングポジションの処理に走ったわけだ。そのウワサとは、今回、ドイツで開催されたG7(先進7カ国首脳会議)にて、オバマ大統領が米ドル高を牽制する発言をした、というものだ。

 このウワサは、ホワイトハウスにたちまち否定されたが、マーケットは疑心暗鬼に陥り、あのスイスショックへの連想から、米ドルロングポジションの削除に走ったわけだ。

 ユーロの売りポジションに偏った相場の構造は、何となくスイスショック前の状況を思い出させ、また、米ドルロングポジションの決済で一層流動性が低下するのでは…といった恐怖心に支配された側面も大きいと思う。

 ギリシャ問題になお最終結果が出ない中、ユーロはこういった市場心理に支えられ、「意外に」堅調になったわけだ。

 ユーロ以外の主要通貨では、円の急上昇がもっとも目立ち…
ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは? ブログ

ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは?

■ドル/円は一時、125円台後半まで上昇も伸び悩む みなさん、こんにちは。

 6月5日(金)の米雇用統計は好結果に終わり、米ドル/円は、一時、125.86円まで上昇しました。

 ただ、米雇用統計の発表直後に米ドル/円は1円急伸しましたが、それ以降は、上値を伸ばせない展開に。

 その理由は、前回のコラムでご紹介した125.00円のオプション(※)から供給される米ドル売りが上値を抑えていることがまず挙げられます。

 そして、もうひとつは、日米当局からの米ドル高や円安けん制コメントに対する警戒感。

(※編集部注:オプションには「バニラ」と「エキゾチック」の2種類のオプションがあります。為替のニュースなどでよく出てくる「バリアオプション」は、エキゾチックオプションのひとつで、権利行使価格に一度でも到達してしまえば、そのオプションは消えてしまうというような特殊なルールが加えられています。一方、バニラオプションは通常のオプションになるので権利行使価格に到達しても消えてしまうようなことはありません。上記の125.00円のオプションは「バニラオプション」であるため、米ドル/円が125.00円を上抜けても、消えてしまうようなことはないというのが西原さんの見解です)

【参考記事】

●ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。中国株下落でなぜユーロは上昇するのか?(6月4日、西原宏一)

 今週、6月9日(火)に公開した「FXほっとLINEで作戦会議」でご紹介したとおり、米経済指標が好結果に終わると、マーケットでは、米ドル高けん制コメントに対する警戒感が高まります。

【参考記事】

●好調な米雇用統計で9月利上げ期待上昇! 米経済指標が好調なほど、ドル安に注意?(6月9日、西原宏一)

■米経済指標が好調なほど、米ドル高けん制発言を警戒 なぜ、米ドル高けん制コメントが高まるのかを最初からまとめていくと、今月、6月5日(金)に発表された米雇用統計の数字が極めて好調だったことから、FRB(米連邦準備制度理事会)による、2015年9月利上げへの期待感が高まりました。

 ただ、現状は、米国の利上げとは違う要因で、米ドル高が進んでいます。

 それは、日本では、日銀による異次元緩和と、「くじら」と称される公的機関からの「米ドル買い・円売り」。そして、欧州ではECB(欧州中央銀行)のQE(量的緩和策)による「ユーロ売り・米ドル買い」ということです。

 このマーケット環境に、米国の9月利上げの材料が重なると、米ドル高が加速することが予想されます。

米ドルVS世界の通貨 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)

 これを放置しておくと、米ドル高の加速が米企業の業績を悪化させ、好調を維持している米国経済に暗い影を落とす懸念が出てきます。

 そのため、6月5日(金)の米雇用統計の好結果が、米当局からの米ドル高けん制コメントに対する警戒感を高めることになったのです。

 そして、マーケットの懸念どおり、まず、週明け、6月8日(月)には、「オバマ大統領は強いドルは問題だと言った-フランス当局者」とさっそく米ドル高けん制コメント。

 もちろん、このコメントは米国の当局者から否定されましたが、多くのマーケット参加者が懸念したとおり、米ドル高けん制コメントがいきなり飛び出したことから、米ドル/円は124円台に沈みました。

米ドル/円 2時間足(出所:米国FXCM)

  「オバマショック」で124円台に押し戻された米ドル/円ですが…
本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは? 一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか ブログ

本音ポロリ!? 黒田総裁発言の真意とは? 一時的な影響で再びドル高・円安に戻るか

■強い雇用統計で早期利上げ期待高まるも、調整入りへ 6月5日(金)、米国で発表された雇用統計5月分に関して、NFP(非農業部門就業者数変化)が前月比28万人の増加と、予想値を大きく上回ったことで、米国の利上げ時期が早まるのではないか? との観測が広がりました。

 その結果、米ドル全面高の展開となり、米ドル/円も、一時125.86円まで米ドル高・円安が進行しました。

 そして週明け(6月8日~)、一部マスコミが、フランスの当局者が、「オバマ米大統領が米ドル高は問題であると発言していたと話していた」と報じると、さすがに米ドル高のスピードが速かったこともあり、調整が入りました。

米ドルVS世界の通貨4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨4時間足)

■市場に衝撃! 6月10日の黒田日銀総裁発言 その後、6月10日(水)には、市場に衝撃が走りました。

 衆議院の財務金融委員会で、民主党の前原誠司委員からの質疑で、日銀の黒田総裁が、「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れていくことは普通に考えると、なかなかありそうにない」という発言をしました。

 これを受けて、一気に円高が進み、米ドル/円も122円台半ばまで急落する展開となりました。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

■黒田日銀総裁の発言が極めて異例な理由 ここでひとつ、確認しておきたいのですが、もともと日本では為替政策は政府が所管することになっています。具体的に言えば、財務大臣です。

 そのため、たとえば、為替介入をするときも財務省が方針を決め、その執行を日銀に委託するという形で行われます。

 つまり、日銀には為替政策を決める決定権がないということです。

 ちなみに、米国も日本と同じ体系になっていますが、欧州やオセアニア諸国では、中央銀行が為替政策の決定権を持っており、制度に違いがあります。

 今、お話ししたように、日本では為替政策の決定は、財務大臣の権限であるので、「日銀は為替レートに関して発言しない」というのが一般的な慣習となっています。

 つまり、今回、黒田日銀総裁が為替レートに関して発言したのは極めて異例だということです。

為替レートについて、日銀総裁としては異例の踏み込んだ発言をした黒田総裁。果たして、その真意とは…? 写真は、2015年4月30日に行われた日銀金融政策決定会合後の記者会見時のもの(C)Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images

 さて、そこで黒田日銀総裁の…
5月中旬に本来の下落トレンドへ復帰した 豪ドル/米ドル、目先の再反発はある? ブログ

5月中旬に本来の下落トレンドへ復帰した 豪ドル/米ドル、目先の再反発はある?

■月足の「高値圏での乱高下」が後々の下落を示唆 今回は豪ドル/米ドルの分析を行なう。まず、月足チャートからご覧いただきたい。

 月足チャートを見ると、豪ドル/米ドルは一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を割り込み、その時点で「売りシグナル」を発したと考える。 

豪ドル/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 上のチャートでは、一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」の傾きを緩やかにして、実際の相場に合わせ調整している。

 豪ドル/米ドルは高値圏で「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル近辺-上値1.1100ドル近辺のボックス相場」を形成していたと考える。

 そして、ボックス相場「紫の破線」の下限を割り込み、さらなる「売りシグナル」を発したと考える。「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル近辺-上値1.1100ドル近辺のボックス相場」は、「高値圏での乱高下」と考えることができる。

 「高値圏での乱高下」は、後々の下落を示唆するケースが多々ある。

このボックス相場「紫の破線」の下限を割り込んだことで、大きく下落する可能性を示唆していると考える。

■ボックス相場下抜け後も乱高下を続ける 豪ドル/米ドルは0.9400ドルを割り込み発せられた「売りシグナル」に従い、0.88ドル台にまで下落したが、0.88ドル台から急反発して、0.97ドル台にまでリバウンド(反転上昇)した。 

豪ドル/米ドル 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 しかし、2013年12月18日(木)のFOMCで、「テーパリング(量的緩和策の縮小)実施」が発表されたことを材料に、豪ドルは再度大きく下落し、0.86ドル台の安値をつけている。

 しかし、0.86ドル台の安値から今度は大きく急騰し、戻り高値は0.9500ドル近辺(0.9500-05ドルレベル)をつけている。

 戻り高値の0.9500ドル近辺(0.9500-05ドルレベル)から、再び大きく下落している。

 豪ドル/米ドルは、「ピンクの破線」で示した「上値0.9800ドル程度-下値0.8600ドル程度」のボックス相場を形成していた、と考える。 

豪ドル/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 このボックス相場「ピンクの破線」の下限を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 この「売りシグナル」に従い、豪ドル/米ドルは、大きく下落した。それで、一番右のレジスタンス・ライン「緑の破線」を表示した。

 月足チャートには、ボックス相場「赤の破線」とボックス相場「ピンクの破線」を表示している。これは、後で掲載する週足チャートに表示したボックス相場と同じものだ。

 0.8600ドル近辺を下に抜けたことで、ボックス相場「ピンクの破線」下限を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 ボックス相場「ピンクの破線」下限を割り込んだ時点で、新安値を更新したので、「売りシグナル」を発した、と考えることもできる。

 この「売りシグナル」に従い、相場は下落して今のところ、0.75ドル台の安値をつけている。

 すでに大きく下落したが、まだ底打ちしたとは言えない、と考えている。

 安値を更新する場合は、その時点で、さらなる「売りシグナル」点灯になる状況が続いている、と考える。

■週足では、ボックス相場を上抜けし、ターゲットを達成 次に、週足チャートをご覧いただきたい。

 豪ドル/米ドルは、0.6000ドル近辺から、1.1000ドル近辺に大きく上昇したが、その上昇過程では、サポート・ライン「緑の破線」に従っていたと考える。  

豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 豪ドル/米ドルは、「赤の破線」で示した「下値0.8000ドル-上値0.9400ドルのボックス相場」を上に抜けたことで、「買いシグナル」を発して上昇した。

 そして、ボックス相場のセオリーどおりに、ボックスの値幅分(1400ポイント)上昇してターゲットを達成したと考える。

 「赤の破線」で示したボックス相場を上抜けしてからは…
ドル/円は126~127円への上昇も。しかし、 一気の130円超えは難しいとみる理由とは? ブログ

ドル/円は126~127円への上昇も。しかし、 一気の130円超えは難しいとみる理由とは?

■米ドル高ではなく円安、米ドル/円は125円にトライ 米ドル高ではなく円安、といった感が強まったのは先週(5月25日~)からの市況だ。米ドル/円は、一時125円の大台にトライしてから保ち合いが続いているものの、ユーロ/円は2015年年初来高値を更新し、英ポンド/円の高値更新に追随した。

米ドル/円 4時間足(出所:米国FXCM)

ユーロ/円 4時間足(出所:米国FXCM)

 以前のコラムでも述べたように、米ドル全体がブル(上昇)基調をキープしながら、スピード調整を行っている間は、総じてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上値追いしやすい時期でもある。

【参考記事】

●ドル全体の調整はしばし続く可能性大だがドル/円は118円台死守ならやがて上放れ(2015年5月15日、陳満咲杜)

 先週(5月25日~)のドルインデックスの反落は、ユーロ、英ポンドなどの外貨が対ドルで切り返したことを意味するから、ユーロ/円、英ポンド/円の上値追いは当然の成り行きでもある。

 ドルインデックスでみると、5月安値を起点とした切返しは、いったん3月高値を起点とした全下落幅の61.8%反騰位置に抑えられて、再反落してきたので、昨日(6月4日)まで外貨の反騰につながった。  

ドルインデックス 日足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 対極としてユーロ/米ドルの反騰が一番大きく、昨日(6月4日)一時1.14ドルの節目に迫ったことが、ユーロ/円の141円の節目打診をもたらした。 

ユーロ/米ドル 4時間足(出所:米国FXCM)

■125.7円まで押し目なしで、126~127円台の上値余地も 当然のように、ユーロ/円の高値打診は、米ドル/円の堅調ともリンクしているから、米ドル/円の底固さが目立つ。

 6月2日(火)に125円の大台を打診した後、米ドル/円は上昇スピードを緩めたものの、現執筆時点まで同日安値(123.73円)を下回っていない一方、昨日(6月4日)は米ドル全体が一時大幅反落したことから考えて、円売りのモメンタムが維持されていることが明らかだ。 

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 前回のコラムでも指摘したように、基本的には米ドル/円は3月高値を更新したあと、上昇モメンタムを維持できる公算が大きく、125.70円前後の高値をトライするまで、大した押し目がない可能性が大きい。

【参考記事】

●上放れ後の逆張りは無謀。ドル/円で踏み上げられて、血祭りとなったミセスワタナベ(2015年5月29日、陳満咲杜)

 「押し目待ちに押し目なし」といったリスクを覚悟しておいたほうが良いのは、5月中旬まで続いた長い保ち合いがあったからだ。

 換言すれば、保ち合いの長さに比例して、ブレイク後のモメンタムは強いわけだから、目先の米ドル/円が堅調なのは自然の成り行きだ。

 本日(6月5日)の米雇用統計次第でまた一波乱が想定されるが、指標次第で変動幅が大きくなる可能性はあるものの、米ドル/円の高値トライは、なお途中といった見方は不変。再度高値更新を果たした上に、場合によっては126~127円台の上値余地も視野に入れておくべきだろう。

 反面、早くも浮上してきた130円、あるいは132…
ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。 中国株下落でなぜユーロは上昇するのか? ブログ

ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。 中国株下落でなぜユーロは上昇するのか?

■米ドル/円は125円にあっさり到達 みなさん、こんにちは。

 このコラムで何回かに渡ってご紹介してきた米ドル/円は、先週(5月25日~)から上昇に弾みがつき、6月2日(火)には125円台にあっさり到達。高値は125.05円。

【参考記事】

●「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に(5月21日、西原宏一)

●125円に急接近のドル/円は128円も視野に! なぜ、ドル高・円安は突然加速したのか?(5月28日、西原宏一)

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 その後、米ドル/円はもみ合いに入っていますが、中期の流れは変わらず、「米ドル高・円安」。

 ただ、その調整が少し長引きそうな要因が出てきています。その要因のひとつが、オプション。

 米ドル/円の125.00円は、オプションデスクからガンマ(※)の影響で、大量の米ドル売りが供給されるということがあります。

(※編集部注:「ガンマ」とはオプションの指標の1つ)

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 そして、もうひとつがユーロ/米ドルの反発です。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

■ドイツ国債利回りが再び上昇 2015年4月の英ポンド/円に続き、5月14日(木)のコラムでご紹介したユーロ/円は、上げ幅を拡大してきており、6月3日(水)にあっさりと140円台を回復。

【参考記事】

●ドイツ国債利回り再上昇でユーロ高継続。反発中のユーロ/円に注目する理由とは?(5月14日、西原宏一)

 その要因は、以前のコラムでもご紹介したドイツ10年物国債利回りが急騰したこと。

【参考記事】

●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)

 ドイツ10年物国債利回りは、前回、2015年5月に上昇した際は、0.80%近くまで急騰して、いったん沈静化しました。

 そして、今週(6月1日~)になって上昇を再開。6月3日(水)には0.88%まで急騰し、1.00%を回復しそうな勢いとなっています。

ドイツ10年物国債利回り(ドイツ長期金利) 日足(出所:CQG)

 ECB(欧州中央銀行)のQE(量的緩和策)にも関わらず、ドイツ国債の利回りが急騰している背景は、以前のコラムでご紹介しているので、そちらを参照してください。

【参考記事】

●ドイツ国債利回り再上昇でユーロ高継続。反発中のユーロ/円に注目する理由とは?(5月14日、西原宏一)

  このコラムでもご紹介しましたが、日銀の異次元緩和の局面同様…
95年の榊原ブルドーザー介入と似ている? ドル/円は史上最安値から60円の円安も! ブログ

95年の榊原ブルドーザー介入と似ている? ドル/円は史上最安値から60円の円安も!

■一時、125円台に達した米ドル/円! その後は… 前回のコラム執筆時から見ても、米ドル/円はさらに上昇(米ドル高・円安に)。

 一時的ではありましたが、とうとう125円台に達しています。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 その後は、達成感が出たことや、ユーロ/米ドルでユーロ高・米ドル安が進んだことの影響を受け、少し落ち着いています。

■米ドル/円上昇の背景は「米ドル高」よりも「円安」 今回の米ドル/円の上昇は、確かに、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が年内に利上げを示唆するような発言をしたことで、米ドルが買われ、米ドル/円も米ドル高・円安になった局面もありましたが、その後の動きを見ていると、どうも「米ドル高」ではなく「円安」という要因で動いています。

 それはユーロ/米ドルの動きを見ればよくわかります。ユーロ/米ドルでは、EU(欧州連合)諸国の景気が予想以上に良さそうだということなどから、むしろユーロ高・米ドル安が進んでいます。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

 当コラムでよく例に挙げている、IMM(国際通貨先物市場)ポジションを見ても、かなりユーロ/米ドルのショートポジションが積み上がったままの状態だったので、その巻き返しが起きています。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 その結果として、ユーロ/円でユーロ高・円安が進み、6月に入ってとうとう140円の大台に乗ってきました。少し、局面が変わってきたなという印象です。

■米ドル/円の次の目標は、135.20円水準か さて、今度の相場ですが、30年ぐらいの長期のチャートを見てみると、2007年の高値124.14円を上抜けてきているので、そうなると次の目標は2002年の高値である135.20円という水準が視野に入ってきます。

【参考記事】

●買いが買いを呼び、ドル/円は125円目前! 相場上昇の裏に外国人投資家の存在あり(5月27日、今井雅人)

 もし、そんなことが起きれば、2011年につけた史上最安値の75.311円から始まっている上昇相場であるので、60円も円安が進むことになり、それはないだろうと思われる方がいるかもしれません。

米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)

 しかし、かつてそのようなことが実際にありました。

 それは、1995年に79.75円の安値をつけてから、1998年に147.64円の高値をつけるまで、実に68円近く円安が進行した局面です。

 このときも、米ドル/円は1米ドル=50円ぐらいまで円高になってしまうのではないかという声が高まっていた時、当時、国際金融局長だった榊原英資さんが、ブルドーザー介入と言われた大量の米ドル買い介入をしながら、国内の機関投資家の海外への投資規制を緩和して、どんどん海外に投資するように仕向けるとともに、海外のヘッジファンド、国家ファンドなども巻き込んで円安相場への大転換をさせました。

当時、国際金融局長だった「ミスター円」こと、榊原英資氏。財務官その後、財務官などを歴任

(C)Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg via Getty Images

 今回はどうでしょう…
「買いシグナル」点灯のユーロ/円だが 戻り売りのタイミングを待つのが賢明! ブログ

「買いシグナル」点灯のユーロ/円だが 戻り売りのタイミングを待つのが賢明!

■ユーロ/円は月足で上昇・下落トレンドを繰り返している 今回はユーロ/円の分析を行なう。まずは、月足チャートからご覧いただきたい。

 ユーロ/円は、2008年に約170円(正確には、169.95円)の高値をつけてから、下落に転じた。 

ユーロ/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 そして、月足チャートで見ると、2012年3月に2008年の高値を起点としたレジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けたのだ が、この時点では、結局、トレンド転換が起こらなかった、と判断したので、2012年4月の高値に合わせて、新たなレジスタンス・ライン「緑の破線」を表 示した。

 つまり、レジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けた時には、ユーロ/円は、下落トレンドのままで、上昇トレンドに転換していない、と判断した。

 しかし、改めて引き直した一番右の中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を明確に上に抜ける場合は、「買いシグナル」なので、要注意と考えていた。

 2012年の11月に、中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を、明確に上に抜け、「買いシグナル」を発した、と考える。 

ユーロ/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 安値94.00円近辺からの上昇で、中長期のサポート・ライン「紫の破線」を表示した。

 このサポート・ライン「紫の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 詳しくは、後出の週足チャートをご覧いただきたい。

■2015年1月に下落トレンドに転換した可能性あり 昨年(2014年)の10月31日(金)に、日銀が追加の金融緩和策を発表したことを材料に、ユーロ/円が急騰した。

 それで、その時点での直前の安値(134円台前半)に合わせて、サポート・ライン「赤の破線」を表示した。

 しかし、今年(2015年)の1月中旬(1月15日木曜日)の急落で、このサポート・ライン「赤の破線」を割り込んだ。 「売りシグナル」を発した、と考える。 

ユーロ/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 このサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考えると、ユーロ/円はトレンド転換した可能性がある。

 つまり、ユーロ/円の94円台から150円近辺まで上昇した期間が、「上昇トレンド」であり、150円近辺がピーク(最高値)で、すでに「下落トレンド」に転換している可能性がある、ということだ。

■週足ではボックス相場を上抜けして145円台まで上昇 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。下の週足チャートに、「94.00円-112.00円のボックス相場」(赤の破線)を表示した。 

ユーロ/円 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 ユーロ/円は、この「94.00円-112.00円のボックス相場」の上限を抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 いわゆる「ダブル・ボトム」を作り、その上限(ネック・ライン)を上抜けして「買いシグナル」を発した、と言える。

 ユーロ/円の上昇は、大局で見れば、当初はサポート・ライン(1)「ピンクの破線」に従っていた、と考える。

 そしてユーロ/円は、139円台ミドルを上に抜けた時点で、2009年の高値を更新した。2009年の高値を更新したことで、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、ユーロ/円は上昇して高値145円台をつけている。

 この高値(145円台)をつけてからの…